映画を観た記録

映画の感想を書きます

Mommy

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スティーブという名の衝動の塊が好きすぎる。

 

好きすぎるというか、気持ちわかりすぎて観ている間中ずっとウワア~~ウワア~~と胸が痛かった。

ママにプレゼントをあげて喜ばせるぞとウキウキしてたら拒絶されて怒り狂う気持ちとか、まわりと自分のリズムのすべてがマッチしてなくて居心地悪いとか、この年代特有のムカつき衝動フザケンナ衝動って、誰もが通り過ぎるものなんじゃないでしょうか?

メタルヘッドのチビッ子 TJ の、大人一般に対してのやり場のない怒りとか、LEGEND で Ron 氏が常に一触即発状態に近いのとかに対してものすごく共感した時と同じ気持ちになった。
(私は怒ってる奴が好きなのか? なんか違う気もするが上手く説明できない )

 

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思う存分カートを振り回し、本能に従った自由行動で衝動を発散させるスティーブ
こういうシーンは観ていてすごい解放感がある

 

だいたい常に幸せと不幸せが波のように寄せては返すから、 ずっとハラハラしっぱなしだった。「今この一瞬だけが良くて、一秒後にはたいへんなことになってしまうんじゃないか」感がすごくて小心者には辛い。 

 

最後の悲しい場面の直前、海辺で遊ぶスティーブとカイラを見つめているママの幻想がパワーありすぎだった。

晴れがましい人生の節目に、自分の好きな人たちが(その人らどうしが知り合いでなくても)自分の為に集まってくれてとても楽しそうにしている。
昔はたくさん辛いことがあったけど、それらは全部終わって今は笑い話にできる。

そんなママの希望とスティーブへの愛が超詰まってる情景が、一瞬の幻想だってわかったときの威力は爆弾級だった。そしてそんな夢を願う人間の魂の悲しさ美しさみたいなものが、観てるこっちを凄まじい気持ちにさせる。ウワア~~

スティーブ音痴だけどジュリアード行けよぉ〜〜幸せになれよぉ〜

と心の底から思った。

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なんかゴツゴツしてるし、「そこにいる」という存在感がすごい

 

それにしても、こんな気持ちを映画に込められる監督グザヴィエ・ドラン氏(26)って一体何者? 人生何回経験してるの? みたいな疑問を抱いた。
(自分がこのぐらいの年頃の時、何を考え何を作り出していたか全く思い出せない。毎日なんとな〜く生きてた?)

あと全然内容には関係ないことだが、自分の家族がこの作品を観て激烈に酷評していたので、人間の感性の多様さに妙に感動してしまった。
「親子が常にうるさいし品がない、カメラがブレブレで酔った、観てて疲れた」などなど…
ほんの一瞬だけ、自分がこの映画に対して抱いた気持ちが揺らぎそうになったがそれも変な話だ。そういう大事なことについて、まわりから変な影響を受けたり間違わないようにしたい。

「みんなちがってみんないい」ってことで…。

 

話がズレてしまったけどとにかくとても心を動かされた良い映画でした。