映画を観た記録

映画の感想を書きます

The Drop の深みにはまる

なぜか The Drop に超入れ込んでいる。
※ 以下 The Drop を観ていないと意味不明な内容

 

映画は三回くらい観たし、原作も読んだ。
さらに英語のほうの原作まで買ってしまった。(原文と日本語訳を比べたいため)

 

そこまでして何なの?って感じだが、とにかくメチャクチャ気になるシーンがひとつあって、それをなんとか理解したいと思ってるうちにこんなことになってしまった。
(他にも色々あるのだが、とりあえずこれが一番の理由)

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このシーン


エリック殺害後のボブが、一瞬だけこのようにエリック化したのはなぜなのか!?


最初に観たときから気になって気になってしょうがなかった。
絶対に解明したいと思った。
(なにかこのシーンが、この映画のキモじゃないのか?みたいな予感があって、ここを理解することができたら、この映画をもっと楽しめるに違いない!みたいにひとりで盛り上がっていた)

 

で、日本語版原作を読んで映画を三回観て一生懸命考えまくっていたら、急にわかった気になった。

 


原作にあるこの文章
(白日夢の中でぼんやり考え込んでいるようなボブのひとり回想)


限界だったんだ。おれはもうひとつの世界では生きられない。
今のこの世界で生きるしかない。
堕落した人はそう言う。
時の始まりからそう言ってきた。

 

そしてエリック殺害後のボブがナディアに言った言葉

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No, they are not my,,, I'm not them. And I'm not this.

「俺はあいつらとは違うし、こいつとも違う」(超意訳)

(前後に色々あるけどとにかく、おれは悪い奴ではないとナディアに主張)

 

ボブは「おれはちゃんとした人間なんだ」って胸を張っていたいんだけど、十年前にリッチー・ウィーランを殺した時から心の奥底では無意識に「もうちゃんとした人間じゃない」って納得している。
つまりエリックと同類。

一瞬だけ映ったエリックの姿は、ボブもそういう人間なんだってことを示唆しているのか…

と理解した。


なるほど…

そう気がついたら、実際はものすごい単純なことだったような気がしてきた。
感想ブログとかで誰も疑問に思ってないのはそのせいか?
もしかしてあーだこーだ疑問に思っていたバカは私だけ?
とか色々考えてしまった。
人の三倍はこの映画について考えてたと思う。
ひとりで楽しみまくってしまった。

 

そういえば小説の最初から、ボブにはちょっと危ない気があったということが書かれていた。


今の本人を知っている人の多くは驚くだろうが、ボブはあののんびりした脳みその変なスイッチを押されると、かなり強くなるのだ。一方で、いたわってやらなければならないところもあるので、壁にひどく押しつけられた時に相手を叩きのめせる部分は、完全に見過ごされる。(マーヴの回想)

 

ボーとして生きてきたちょっと危ない方向に素質のある男が、ちょっとしたきっかけでその一線を越えてしまって、それ以降心を閉ざしながら(自分を抑えこみながら?)、ひたすらバーと家と同じ人間関係を往復するだけの生活してたのか…

やっぱりすごくいいな、この裏表の激しいボブというやつは… 

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脳みその変なスイッチをエリックに押されたボブ

 

あと、最後に現れた刑事トーレスが

No one ever sees you coming, do they? 
(誰もきみが近づくのに気がつかないんだろう?)

とボブに言って去っていくくだりがあるが、ここの意味が未だに全くわからないので、またしばらく映画と原作を行ったり来たりして楽しめそう。

 

The Drop の魅力を力説してみました。